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CLANNAD二次創作小説「水の音がきこえない」(8)
2009/07/18(Sat)
aa.jpg

 更新停滞中、拍手ありがとうございました。同人ゲーム日誌も、更新しないとですね(苦笑)。

 とりあえず、クラナド二次創作小説のほうを更新しておきます。ものすごく間が空いたので、テンションを戻すのが大変でした。それもあって短いですorz。

 すこし前に珍しくいいことがあったのですが、その反動か、絵も文章も思うように描けず、四苦八苦してます。そんなわけで更新が相変わらずあまりないかもしれませんが、気が向いたら、またのぞいてみて下さい。

 写真は五月の分です(苦笑)。夕方、雨上がりの一枚。写真も撮るクセ、つけとかないとなぁ。

 絵描きの人で、カメラを持っている人は写真をお勧めします。いろいろ役立つと思いますよ~。
 


~お読みになる前に~ <お願いです!>

・これはゲームブランド「Key」が発売した「CLANNAD」の二次創作小説です。発売元および関連会社と著者は関係ありません。

・ストーリーは「智代ルート」を基としています。

・執筆にあたり参考にしたのはネットで収集した「CLANNAD」についての情報です。それに著者の案が加えられた形となっています。なのでストーリー、および若干キャラクターに変更点があります。変更していない部分はネタバレですので何卒お気をつけ下さい。

・なるたけ原作のキャラクター像を順守していますが、主人公である岡崎だけは一人称という語り口なためどうしても著者の性格資質が混ざってしまい、印象に大きな違いが表れるかと思います。原作のテーマとずれがあるかもしれませんが、著者なりの「CLANNAD」に対する見解を示しています。

・現時点で登場、またはそれが確定しているのは岡崎、智代、春原、杏、椋、岡崎の親父です。

・問題があれば削除します。お知らせ下さい。




 では、どうぞ!
 

 子供がはしゃいでいる。親は遠く、木陰で笑っている。
 真新しい黄色のバケツが、鉄棒の端にかけられていた。赤いボールは乾いた砂をはね、あちこちを行き来し、青空のもと吹く風は桜を運び、ついでシロツメクサの群生を揺らした。まさに児童公園といった趣は、半眼で道行く俺や春原にはなんとなく居心地が悪かった。
 杏はにこにこして皆をベンチへ誘った。そして俺の肩をつかむと真ん中へ座らせ、同じように藤林を俺の右手に座らせ、自分はややすきまをあけて左へ。春原は杏の隣に腰を下ろしつつ、その膝にある袋へ手を突っ込み、「あ、こら!」と叩かれる間もなくオニギリをひったくる。
「うん、うまい! たまにはいいもんだね。ピクニックみたいでさ」
 杏はため息まじりに微笑む。「あんたたちは年中ピクニックしてるようなもんじゃない」 
 それから俺にパックのおにぎりを渡して、「椋に」と促す。言われるまま彼女へ差し出したが、藤林は俺のほうを見ず、両手で遠慮がちに受け取った。
 視線を戻すと膝におにぎりとから揚げがあった。「なんか俺だけ豪勢だな……。お前ら、どうしたんだ」
 訝しげに言うと、春原は大きく頭を振り、「いやいやいや。遠慮せずに食べちゃって。別に何かを聞き出そうとか、そういうつもりじゃないかグハッ――!」
 思いっきり殴られた金髪は己の膝でファースト・キスを果たし、嬉しさから前歯を押さえていた。それに構わず不自然な笑みを浮かべて杏が言った。
「男はしっかり食べて体力つけなきゃね! ひょろひょろ頼りないのだと、女の子にもてないからほほほ」
 俺は眉をひそめつつおにぎりを食べる。杏は給仕のよう茶も勧め、お菓子もあるわよと微笑む。それでなんとなく察しがついた。
「お前ら、坂上のことを聞きたいんだろう」 
 果たして杏の顔がこわばった。藤林を見ると、すぐ目を逸らす。春原だけがけらけらと笑い、「ビンゴ! ボンゴ! バンゴ!」と訳の分からないことを言って再び殴られていた。
 俺はため息をついて、食べかけのから揚げをパックに放った。「野次馬根性丸出しだな……。誰が首謀者だ。やっぱり春原か」
「ん? あー…、そう、僕」と、春原。杏はいくらか口ごもった後、何かを言おうとしたが、それをさえぎったのは、小さな、しかし迫力ある声だった。
「昨日電話……したんですよね」 
 振り返ると藤林が、目を泳がせて、しかし顔は背けずにいる。
 しばらく後、彼女はうつむいて、何度も何度もつばを飲み込みながら、やがてはっきりと俺の目を見て言った。「どういうお話、したんですか」
「話す義務は……ないよな」
 静かに答える。が、後ろから袖を引っ張られ、杏に睨み付けられた。「義務はなくても、『あたしたち』には聞く権利はあるわ」
「なんでだ」
 俺は杏を睨み返す。どちらも譲らず、そのうち春原が間に入り、俺は眼を逸らした。杏はまだ俺のほうを見ているようだった。
 春原は俺と杏の前に立ち、息をついた。
「まぁ、僕たちもさ。野次馬根性だけじゃなくて、気になるんだよね。いろんな意味で。お前、自分で気付いてないかもだけど、顔つき変わったぜ」
 見上げると、弟を案ずる兄貴のようなカオがあった。それで俺は力が抜け、姿勢を崩す。「たった数日でヒトのカオが変わるのかよ。よっぽどのことがあったのならともかく」
 春原と杏がほぼ同時に叫んだ。「だから、よっぽどのことなんだろ(でしょ)」
「……あんた、なんで電話番号教えたの?」
 杏が再び睨んでくる。俺は率直に、「用事があったからだよ」
「何の?」
 春原が顔を覗き込んだ。もう面倒くさくなって投げやりに言った。
「坂上をデートに誘ったんだ。明日が当日。そのあれこれを話すために、電話したんだよ」
 それでベンチの周りだけ、真空になったよう、無音。遠く母親たちの談笑する中身まで耳に入ってきた。春原の変な笑い顔だけが視界にある。左右は、見られない。
「なんだそりゃ……。オマエ、坂上に惚れちゃったの?」
「……分からん」
「何言ってんだか! 興味なかったら、デートに誘うわけないし。――へーっ。あっそう……。ハハハ。ニブチントモヤクンにもようやく思春期が訪れたってわけ……」
「あの岡崎君は――坂上さんの……どういうところに惹かれたんですか?」
 なんだかんだ、正面左右から、色々な物言いで、しかし結局似たり寄ったりの攻撃口調。好い加減うんざりして立ち上がり、俺は叫んだ。
「お前ら、大げさすぎる……話を大きくするな! たかが遊びに行くだけじゃねえか。杏とだって行っただろ?」
「――ふたりきりでは、行ってない!」
 と、杏は叫んでから顔をゆがめ、うつむき地面を蹴った。藤林はそんな姉をいちべつしてから、俺を見据えて言う。「……やっぱり、坂上さんのこと、私やお姉ちゃんとは違う女の子として、見てるんじゃないですか?」
「だとしたら、なんだ」
 俺は不機嫌に言った。藤林は視線を逸らさず、真っ直ぐ俺を見て、言葉を放った。
「それは恋です。特別な想いですよ、岡崎君」
 立ち上がり、彼女は俺の横を通り過ぎていった。杏は慌ててその後を追う。春原は頭をかきながら、小さくなってゆくふたりを眺めていたが、俺をいちべつした後、去った。
 
 胸にささった言葉を心に入れるまでしばらく、俺はぼんやりと雲を眺めるしかなかった。   

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コメント
- 相変わらず素晴らしいです -
どうも、お久しぶりです。
水の音がきこえない(8)読みました。
相変わらずお上手ですね。
いつもいつもこんな文章が書けたらいいなと思いつつ読ませていただいてます。

宣伝みたいになりますが「長門有希の暴走」の第二章公開してます。
まだお読みになってなければお暇なときにでもどうぞです。
相変わらずの駄文ですが・・・

それでは、続きを楽しみにしています。
頑張ってください。
                    敬具(笑)
2009/07/19 21:42  | URL | 神の信者 #e86gxV0E[ 編集]
- 返信(神の信者さん) -
 こんにちは~。お久しぶりです!

 もったいないお言葉ありがとうございます。いやぁ……正直なところ、私、文章はうまくないですよ(苦笑)。褒めて頂いているのが、内容についてならば、有り難く、嬉しいですけどね。

 あと私はもう30歳ですからね(苦笑)。神さんはまだまだこれからたくさん本を読んで、色々経験を重ね、物の見方や考え方、文章表現力も変化、上昇してゆくわけですから。それを考えるとあなたが30歳のときは、いまの私なんかよりはるかに好い表現者になっていると思いますよ。現在の文章を拝読すると。
 
 なので頑張って下さい! 私も頑張ります。とりあえずこれは途中で放り出さず、完結させたいです。でもまだ智代とデートすらしてないんだよなぁ。8なのに(苦笑)。

 小説の感想は短いですが書かせて頂きました。完結したら長いものを書かせて頂きます。

 あとブログコメントに書き忘れましたけど、読書感想文に谷崎潤一郎ですか? すごいですね。私も何か、この夏読もうかなぁ……。

 
 コメントありがとうございましたw。
2009/07/21 23:40  | URL | ハルヒン #JalddpaA[ 編集]
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