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CLANNAD二次創作小説「水の音がきこえない」(5)
2008/08/09(Sat)
 ki.jpg


 ちかくの公園で撮った樹です。ちいさい子がお父さんらしき人と野球をしていましたが、横でぱちぱちやっててすみませんでした(苦笑)。

 まぁ公園とかはいいのですが、住宅街をカメラ片手に歩いていると、変な疑いをかけられるかもしれないと思って(苦笑)、たとえばきれいな花をみつけてもそれが人様のプランターに咲いていたものだったりすると躊躇します。

 やはり空とか樹、道端の花が撮りやすいですね。私もそれらが好きだから良いんですけど(笑)。
 

 本文はCLANNAD二次創作の続きです。また短いのですがっorz<ヒー! きりがいいところで切ってますからね……。次回はちょっと長めになるかもしれません。
 
 
~お読みになる前に~ <お願いです!>

・これはゲームブランド「Key」が発売した「CLANNAD」の二次創作小説です。発売元および関連会社と著者は関係ありません。

・ストーリーは「智代ルート」を基としています。

・執筆にあたり参考にしたのはネットで収集した「CLANNAD」についての情報です。それに著者の案が加えられた形となっています。なのでストーリー、および若干キャラクターに変更点があります。変更していない部分はネタバレですので何卒お気をつけ下さい。

・なるたけ原作のキャラクター像を順守していますが、主人公である岡崎だけは一人称という語り口なためどうしても著者の性格資質が混ざってしまい、印象に大きな違いが表れるかと思います。原作のテーマとずれがあるかもしれませんが、著者なりの「CLANNAD」に対する見解を示しています。

・現時点で登場、またはそれが確定しているのは岡崎、智代、春原、杏、椋、岡崎の親父です。

・問題があれば削除します。お知らせ下さい。




 では、どうぞ!
 

 店へ向かう途中坂上はあまりしゃべらず、俺も黙っていた。飛行機ぐもが電線のすきまへ白線をひいたとき、少しだけ眺めていた坂上はこどものような横顔で、俺は自分のちいさなときを思い出したが、たぶん怒るだろうと思って言わなかった。
 俺はめったなことでスーパーに行かない。コンビニでほとんどインスタント、たまに手製のサンドイッチ、付き合いでファーストフード。いつ以来だろうか。空が蒼まったころ坂上が連れてきたのは俺も知っている、一階建てのちいさな店だった。
 母子(おやこ)連れが多い。坂上は買い物かごを手にするや否やさっさと歩き、俺はあとをついていく。ベビーカーが棚の間を通るとき、こどもにちいさく手を振っていた。母親は奴に微笑んだ後、俺にも笑みを向けた。そのときつい愛想わらいを返してしまい、坂上が満足そうな顔をしたので、なんとなく負けた気になってそっぽを向いたが、「こっちだ」と背中を押されたのでただの方向転換になってしまった。
 迷わずすたすた歩き、かごに豚肉を入れ、じゃがいもを入れ、にんじんを入れ……。俺はバラ売りのたまねぎを真剣な顔でひとつひとつ吟味(ぎんみ)する女に言った。「カレーかよ。小学校のとき作ったかもしれないな……」
 坂上はたまねぎ箱をのぞきこんだまま、「そうだ。栄養もあるし簡単だし、なにより安くて量がある」と、応えた。「お父さんの分も入れても、明日の晩御飯までもつぞ」
 やけにうれしそうだった。ようやく選び終わった後、カレーの箱を入れつつ指を折々「豚肉が350円、ジャガイモが158円、にんじんが120円、たまねぎが50円、カレーが280円だから……958円だ」とやや自慢げに俺を見た。
「……デザートがないなぁ。アイス食いたいんだけど」と、意地悪く俺。
「む……」
 坂上はかごをみた。そしてしばらく後、つぶやく。「少し量の少ないカレーにするか……。にんじんはたくさん食べないとな」
 俺にかごを渡し、さっさと50グラム少ない200円カレーと交換してきた坂上は、反対の手に小さなみかんも一つ持っていた。「デザートだぞ。100円だから、978円。これでばっちりだ」
 にこにこしている。しかし俺は言った。「アイスのほうがいいんだけどな……。お前、ひょっとしてみかん好きか?」
「ああ、好きだ」と、にこり。「美味しくて栄養があってお肌にも好いんだぞ。岡崎も今日から毎日食べるといい」
  

 坂上は袋のつめ方にも「重くて丈夫なものから入れるんだ。みかんは一番上」と口を出した。俺が「よく買い物するのか?」と尋ねると、「ここは帰り道だからな。晩御飯も自分で作ることが多い」と言った。
 外はもう暗かった。俺は軽くあくびをし首を回す。坂上はそれをみて苦笑していた。「ちょっと運動した方がいいな。朝ジョギングするというのもいいぞ」
「お前が一緒に走るってのなら、やってやるよ」と、馬鹿にしたように笑う。しかし「ん? それもいいな……。よし明日から走ろう」などと言い出したので、俺はあわてて冗談だといった。
「…さて。そろそろ帰るか。……送ってやろうか?」
 俺は坂上を見る。奴はかぶりを振った。
「いい。ここから近いからな」
「そうか」
 じゃ、と言って歩き出した。坂上も軽く手を振って俺とは反対の方向へ。と、そこで俺は立ちどまり、「おい!」と叫んだ。
 きょよんとした顔でこちらをみる坂上に、すばやくみかんを下手(したて)で投げる。ちいさな果実はスーパーから漏れる明かりに一瞬照らされたあと、淡くしろい手のひらへ落ちた。
「お肌に好いんだろ? お前にやるよ!……」そういって再び背を向けた。
 が、二歩と歩まず肩をつかまれぎょっとする。瞬間移動でもしてきたのかと疑う速さで、坂上が俺のそばにいた。「駄目だこれは。お前に食べさせるために私が選んだんだ。ただのみかんじゃないぞ。今日あの店にあったなかで、一番好いみかんだ」と、オレンジ色を押し付ける。
「おっまえなぁ……」
 そんなこちらを意に介さずさっさとみかんをむき、ひとふさつまんで「さ、食べてみろ。とても美味しいから」と、アーンと口をあけるしぐさをし俺を促したので、ぱっとひったくり奴の口に放り込んだ。それで坂上は眼をまんまるにして一瞬で飲み込んでしまったあと、真っ赤な顔をしてまくし立てた。「……っくりするじゃないか! なにをする!」
 俺は無視してみかんをひとふさ食べた。「うん。うまい。たまに食べるといいもんだな……」
 そして半分を渡した。「分けよう。それならいいだろ?」
 坂上はすこし黙った後、わかった……と受け取り、「ビニール袋をとってくる」と店へ駆け出した。俺はその間にほとんど食べてしまって、帰ってきた坂上に怒られた。       



 
 家へ帰るとさっそく袋の中身をテーブルにあけた。そしてゴミ箱にひとしい流しに眉をひそめた後、意を決して腕まくりをした。油、汚れ、ほこり、ばいきんとの格闘は2時間に及び、親父が帰ってこないかキッチンの入り口を気にしつつ、俺は数ヶ月ぶりに包丁をもってジャガイモの皮をむき始めた。
 いくらか経ち、すべての野菜はあきらかに小さくなりすぎていた。少し顔をしかめた後、俺はなかばやけくそで全てを鍋にぶち込み炒め始めたが、はたと肉の存在を思い出し包丁を手にするも6秒後、めんどうくさくなって鍋の上で肉をちぎり落としていた。あいつがみたらおこるだろうなぁ……。
 その後水をいれ、ふっとうし浮いてきたあくを取りつつ、野菜に箸が通るようになったのでルーを入れた。

 俺は何かをやり遂げたような気がして椅子に座り、あまったみかんをひょいと口へ放り込む。それで坂上推選(すいせん)、今日あの店いちばんの好いみかんは、結局俺のデザートになることなく消えた。
 
 


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コメント
-  -
ちょww岡崎ww先に食べるんじゃないwwwww
まぁ文書とかとは関係ないツッコミかもしれませんが、岡崎が子供っぽくて可愛い(何
ちなみに変なのではなく、むしろ岡崎らしい感じ(?)

ん~……やはりハルヒンさん上手くて自分には指摘とか全然見つからないです^^w

雑な文章ですみませんノシ
2008/08/10 02:13  | URL | 【幼】猫の声【魂】 #2P5nIepo[ 編集]
- 返信(猫声さん) -
 前回に引き続きコメどうもです!

>岡崎が子供っぽくて可愛い(何

 私が描くキャラクターは、こどもの部分をもってない奴は居ませんので(笑)。一見スカした奴も、クールな奴も、余裕ぶったやつも全て、あわてたりみっともなかったり、また素直だったりします。私にとって、それが人間を描くということなのです。

 智代の魅力に負けないよう、ああ、こいつだったら智代も惚れるわなぁという男に、岡崎を描いていけたらと思います。


>指摘とか全然見つからないです^^w

 大変ありがたいですが、あれば遠慮なく仰って下さいね。指摘を受け、修正した方がいいなと思えばしますし、そうでない場合は、その理由をきちんと書きますから。

 まぁ無理に探す必要はないですけど(笑)、感じたことを素直に言って欲しいのです。

 
 あと作中で「空が蒼まった」と書きましたが、多分そんな言い方はしないと思います(苦笑)。しかしどうしてもそう書きたかったので書きました。


 ところで猫声さんは今日誕生日ですよね? おめでとうございます~!

 短いですが、後でブログの方にもコメントをさせて頂きます。

(↑申し訳ありません。送信がうまくいかなかったので、そちらのブログに記載されていたアドレス宛にメールを送らせて頂きました。届かない場合はお知らせ下さい。)
 

 コメントありがとうございましたw。
2008/08/10 07:51  | URL | ハルヒン #JalddpaA[ 編集]
-  -
こんばんは★
いつもコメが遅くなっちゃってすいません;
『水の音がきこえない』今回も楽しませていただきました!
生活力のある智代タンが大好きだーーーっ!
岡崎さんが投げたミカンをキャッチしたシーン、受け取った時のキョトンとした智代タンの様子を思い浮かべてはニヤニヤしている私はきっと大丈夫!!

次回はデート当日の話になるのでしょうか??
更新楽しみにお待ちしてますね★



最後に前回いただいたレスに反応させていただきます!


> たしかに客観的にみたらラブコメになってますな(笑)。

杏と椋が二人で押しかけてくるなんて、ラブコメ度マックス!



> それをうまく描いていきたいですね。

幸せな事を単純に幸せと感じられるようになっていく様を描いていくって、自分なりに物語を妄想してみても涙腺緩みそうです。。。


> 本作で表現したい「人を愛するとは何か」というテーマ

きっと人それぞれ答えはありますし、同じ人でも年を重ねていく事で答えも変わってくるような深いテーマだと思います。ハルヒンさんが岡崎さんを通してどのような答えを導き出すのか、これは大きな見所になりそうです!!


> あの岡崎が、人を自分の家へ迎え入れるのには、時間がかかりそうです。

なるほど~、言われてみるとそうですよね。実際春原や杏達も拒否してますもんね。。。この段階では岡崎さんが家に人を招くっていうより、アニメの時のように押し掛けられて有無を言わさずみたいなのが自然かも。
ただゆくゆくエプロン姿が登場するという証言が取れた事に、智代党一同ガッツポーズであります!!


> 表現はただよい表現であればいいのです。

格 言 !! これは是非胸に留めておきたい言葉です!!


> また詳しい感想を公開後3ヶ月くらいで書きましょうかね。

いいですね~観に行った者としては今すぐでも読みたいです!
ただハルヒンさんの都合とかもあるでしょうしね、今はひたすら感想のアプを楽しみにお待ちしてます!
2008/08/25 18:17  | URL | star9 #kLoia8aY[ 編集]
- 返信(star9さん) -
 毎回ありがとうございます。とても感謝しています~orz。


>岡崎さんが投げたミカンをキャッチしたシーン、受け取った時のキョトンとした智代タンの様子を思い浮かべてはニヤニヤしている私はきっと大丈夫!!

 そうか……智代はきょとんとしていたのか(笑)。小説のいいところは、読者の想像できる幅が広いというところですよね。
 
 頂いた感想によって新たな智代の姿を得ることが出来ました。ありがとうございます。

 ちなみにこのシーンは格好をつけた岡崎に対する突っ込みでもあります。智代はボケで突っ込むという高等技術を駆使しました(笑)。


>次回はデート当日の話になるのでしょうか??

 う~む…どうだろう。電話のシーンもありますからね。

 少しずつ、少しずつ、ふたりが接近する過程を描いていけたらなと思います。


>杏と椋が二人で押しかけてくるなんて、ラブコメ度マックス!

 このふたりが岡崎に惹かれた理由は、私なりの考察があります(笑)。それを後書きに書こうかなとw。


>幸せな事を単純に幸せと感じられるようになっていく様を描いていくって、自分なりに物語を妄想してみても涙腺緩みそうです。。。

 しあわせというのは人それぞれでありつつ、ある程度確かな、誰もが認めるものもあると思います。
 
 岡崎の場合も、自分のせいで幸せを感じる機会を減らしているという側面と、やはり不幸だという面の両方あると思って描いていますから、その両面に彼が向き合い、人生を豊かにしていくためにどうしたいか、考え行動していく様子が、この物語です。
 
 ……ここまで書いたら、最後まで書かなきゃならんな(苦笑)。
 

>きっと人それぞれ答えはありますし、同じ人でも年を重ねていく事で答えも変わってくるような深いテーマだと思います。

 こういう的確な意見を頂くと、ひょっとして、えらいもんに首をつっこんでしまったのではと多少の後悔がありますね(苦笑)。ああどうしようWWWWWWW。


>この段階では岡崎さんが家に人を招くっていうより、アニメの時のように押し掛けられて有無を言わさずみたいなのが自然かも

 う~む。岡崎の家=岡崎の心というつもりですからね。すさんだ描写もそれの暗喩です。
 なので序盤で家に入れることはないし、智代も彼の雰囲気を感じとっていますから(そこが杏や椋とちがうものとして、この物語では描いている)、智代エプロンはかなり先かと思われます。orz<すいませんヒー! 


>智代党一同

 ちょwwwwそんなんあるのかwwwww(笑)。水銀党?(笑)


>格 言 !! 

 格言といえばゲーテの格言集は面白いですよ。一生読めますし文庫で出ているのでぜひどうぞ~w。


>今はひたすら感想のアプを楽しみにお待ちしてます!

 お待ち下さい!orz


 コメントありがとうございましたw。

2008/08/26 21:53  | URL | ハルヒン #JalddpaA[ 編集]
- 後書き③~岡崎に惚れた理由、個人的考察~ -
 ものすごく遅れての後書きですが(苦笑)、今回は前回と違い少し軽い内容です。前回のようなものばかりだと、本文より書くのが疲れますからね(苦笑)。

 さて。何を書くかというと、岡崎をとりまく少女たちが彼に惚れたのはなぜか? という個人的な考察です。これがないと、この物語は書けませんからね。


 まぁ「違う! そうじゃない!」とか(笑)思いつつお読み下さい。


 ☆渚☆

 これは冒頭のシーンですよね。岡崎が人生の意義をひとつ示してくれたからでしょう。
 自分の悩みに光を与えてくれる人というのは異性にかぎらず惹かれるものがあります。

 愛に発展したのは、自分と同じにおい(孤独)とやさしさ暖かさを感じたからでしょうか。あとのふたつは、渚の両親が彼女に与えてくれたものですから、それ(渚にとって一番大事な人間性)を持っている岡崎に親近感を抱くのは自然だと思いました。


 ☆杏☆

 彼女は愛というより恋という感じがしましたね。それが愛に変わるのかもしれませんが……。
 
 格好良くて、一寸影がある。というので気になり始めて、話してみると結構さばさばしてのりがいい。それだけだと友達どまりですが、楽しそうに話を合わせていても影が消えない、という部分に惹かれたのではないかなぁと。このひとは何を抱えているんだろう……。というような。
 その影を含んだ、しかしそれを隠すような笑顔に心奪われたのではないでしょうか。


 ☆椋☆

 憧れ、ですかね。きっかけはそうだと思います。姉と親しくしている(姉が好意を抱いている)ということでも信用があります。双子ですしね。 

 彼女も愛ではなくて恋だと私は思いました。岡崎は見方によっては少女マンガにでてくるような男に見えなくもないですからね。  

 あと彼女は多少杏にコンプレックスがあると思うんですよ。それも関係するかもしれない(姉の大事なものを奪うことで劣等感の解消を図る)……というのは穿った見方でしょうか。
 

 ☆ことみ☆

 幼馴染で大事なもの(思い出)を共有しているからではないかと。それ以外には特に……私は思い当たりませんでした。最初の想いを純に抱き続けているという感じがしました。


 ☆智代☆

 家庭環境が似通っている、互いに根っこの人間性がさっぱりしていて、こどもっぽい部分があり、自分が寄りかかれそうな強さがあり、支えてあげたい弱さがある。

 つまり似たもの同士だということです。一番お似合いだと私は思いますよ。


 
 他のキャラも居ますが以上です。う~んあんまり面白い話になりませんでしたねぇ(苦笑)。
2008/08/26 22:58  | URL | ハルヒン #JalddpaA[ 編集]
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