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CLANNAD二次創作「水の音が聞こえない」(13)
2010/11/05(Fri)
 popo.jpg

(前回頂いたコメントへのお返事はこちらでしています。ありがとうございました。) 

 HPを再開してから、初めての更新ですね。今年中にあと一回くらいは……できればいいな(オイ)。

 あとHPですが、トップ画像は基本的に数ヶ月変わりません。更新情報はトップページの一番下に書いてありますので、それをご参照下さい。あ、画像変わってないから更新ないんだ~、とは思わないで~(苦笑)ヒー!>orz

 更新項目が多すぎて、どれから優先していくべきか迷うんですよね。うーむ。

 あとですね。ピクシブに短編小説UPしてますので、よかったら読んでみて下さい~。→これ。

 出版社がやっている短編賞応募作ですが、先が浮かんだので、落ちたら後に続編を書こうとおもいます。読んで頂ければ解りますが、どうみても完結していないので(笑)。そのときは主人公とヒロインの名前を変えます。


~お読みになる前に~ <お願いです!>

・これはゲームブランド「Key」が発売した「CLANNAD」の二次創作小説です。発売元および関連会社と著者は関係ありません。

・ストーリーは「智代ルート」を基としています。

・執筆にあたり参考にしたのはネットで収集した「CLANNAD」についての情報です。それに著者の案が加えられた形となっています。なのでストーリー、および若干キャラクターに変更点があります。変更していない部分はネタバレですので何卒お気をつけ下さい。

・なるたけ原作のキャラクター像を順守していますが、主人公である岡崎だけは一人称という語り口なためどうしても著者の性格資質が混ざってしまい、印象に大きな違いが表れるかと思います。原作のテーマとずれがあるかもしれませんが、著者なりの「CLANNAD」に対する見解を示しています。

・現時点で登場、またはそれが確定しているのは岡崎、智代、春原、杏、椋、岡崎の親父です。

・問題があれば削除します。お知らせ下さい。


 


 では、どうぞ!
 図書館の横に広場がある。はしのわずかな遊具でちいさな子があそび、親たちは談笑して、休日らしい様を呈していた。
 俺と坂上は中央でボールをやりとりする小学生たちを避けながら、奥の、大木のもとに広がる芝生を目指した。俺の手には本を入れた大袋、坂上はパンをよっつと、パックのジュースをひとつ抱えている。すこし頬を膨らませながら。
 俺はため息をついた。「分かったよ。俺がみっつな。ふたつくらい食うかなと思ったんだが……。小食なんだな」
「普通だ」坂上は横目でこちらを見やる。「こんなおおきなパンをふたつも食べる女子はいない。それになんだこのジュースは」
「あ、それ百円なんだよ。オトクだろ」俺は得意げに答える。「お前、オレンジ好きじゃなかった?」
 坂上はゆっくりと木の下へ腰を下ろすと、スカートの上に不健康なランチをひろげ、ジュースを俺に押しやる。おおきな目を半眼にしていた。「ストローがないじゃないか。まさか口飲みで分け合うのか」
 俺は顔をしかめた。
「あー……。スマン。ほとんど春原としかメシ食わねえからなあ」
「と、いうことはいつもあの男と口飲みで分け合っているのか」坂上は眉をひそめる。「友情厚くほほえましい話だな。しかし、私は春原でない」
「意外と細かい奴だなぁ」俺は息を吐く。「間接キスで赤面とか、お前は女の子か」
 瞬間、ものすごい突きが頬に飛んできた。「――私は女の子・だっ!」
 俺は頬を押さえつつ、体を起こす。「……相変わらずジョークの解らない奴。そんなんじゃモテねえぞ」
 すると坂上はフッ、と鼻で笑い、パンをみっつ、俺へ投げよこした。「私はこうみえてもモテるんだぞ。そんな女子とこうして日曜にデートできるんだ。お前は己の幸運をもうすこし自覚したほうがいい」
「やった! 俺マジラッキー!」
「……お前は見たままに性格悪いな」
 その後、くだらないやり取りを重ねてから、風に吹かれる。ジュースは坂上が後でも先でもうるさいので俺が一気飲みした。
「まったく。子供みたいな奴だ」
 呆れながら坂上は空になったパン袋を膨らます。それを手の中で遊びながら、ぼんやりと広場の子供たちをみつめた。俺はその横顔を、芝生に転がり眺めていた。
「こら。食べてすぐ横になるな。豚になるぞ」
 坂上は俺に寄って腕を引く。片腕でなんちゅう力だ……と思いつつも口には出さず、仕方なしに胡坐をかく。
「お前、小学校の先生か、保育士に向いてるんじゃない?」
「なるほど。それもいいな」と、坂上。「しかしまだ先のことだ。いまはいまでやることがある」
 それで俺に何か言いかけたが、軽く首を振ってまた広場へ視線を移す。俺は傍らのタンポポを指で突きつつ、話を続けた。
「お前さ。桜好きなの」
「……ああ。好きだ」
「どういうところが?」 
「そうだな……。あたたかいところ」
「春だしな」
「そういうことではない」
 坂上はため息をつき、また広場を見やる。「たぶん私にしか解らないことだろう」
 静かにつぶやいた。俺はパンの袋をかき集めると、それらをねじって結びつける。なんとなく十字架のようなものが出来上がった。「神様なら、ご存知なことだろうな」
「神を信じているのか?」坂上は振り向いた。
「まぁ、居ないんじゃない?」俺は十字架もどきを坂上に放る。「居たら相当性格悪いぜ」
 坂上はできの悪い十字架を手でいじくると、それで二度、三度と俺の頭をはたいた。小声で「悪魔よ去れ。悪魔よ去れ」とか言っているのが聞こえたので、犬歯をむき出しにして爪をたてる。すると「実に面白いカオだ」といってまじまじと見つめた後、やはりもう一度「悪魔よ去れ」といって俺の顔を十字架ではたいた。

 春風が芝やクローバの群を揺らしてゆく。タンポポも揺れる。坂上の髪も揺れていた。俺は青の香りを感じながら、坂上の視線を追い、広場の子供たちを見つめた。
 子供たちのサッカーに、大人が交じってくる。男はとうぜんのよう子供を圧倒し、ボールを独占する。やがて別の男が子供に加勢し、大人同士熱戦を繰り広げた後、またボールは子供たちの元へ戻った。乱入した男たちは笑いあいながら、遊具の傍へ歩いて行った。そこでは、幼児をあやす女たちが、男たちを指差しつつ、笑っていた。
 地についた手からぐんぐんと痛みが上って来、肩へ到達してそのまま頭へゆくのを防ぐため、俺は視線を逸らした。が、構わず痛みはこめかみあたりを占拠し、いつものよう目の裏を支配して、それから脳へ昇ってゆくと悪魔の鎌を振り下ろす。俺は思わず手元のタンポポをひきちぎった。――と、そのとき、
「……家族は好いな」
 痛みをこらえ、声が聞こえたほうを振り向く。坂上は愛しいまなざしを、とおくの親子へ向けていた。俺は舌打ちしながら、吐き捨てるようつぶやく。
「ありがた迷惑だよ。浮き輪に見せかけたオモリだ」
 坂上はやや目を開いて俺を見た。が、とくに何を言うわけでなく、俺の目をみつめ続けるので、耐え切れなくなって視線を外した。そのとき頭の痛みは胸へと移り、しかし、和らいでいた。
「岡崎。お前、将来結婚したいと考えているか?」
「はあ?」  
 とつぜんの問いかけに、俺は顔をしかめる。
「さあね。そんな先のこと。……さっきお前も将来は解らない、って言ったろうが」
「そうだな。すまない」
 坂上は笑いつつ、膝を抱える。そうして風に吹かれていた。俺は手の中にあるちぎれたタンポポを拾い上げて、腹の前でくるくると回しながら、尋ねた。
「お前は結婚したいの」
「うん」
 あっさり答える。俺は苦笑した。「意外だな。そういうタイプにゃ見えないぜ」
「じゃあどういうタイプに見えるんだ」すこしムッとした顔で俺に向き直る。俺はタンポポを何度か振りつつ、適当な言葉を探った。
「将来はバリバリのキャリアウーマン……ってとこかな。男を圧倒して、色恋沙汰には見向きもしない。そんな感じ」
「……私たちはいまなにをしているんだ」坂上は眉をひそめてこちらを見る。俺は思い出したように答えた。「そういえば、デートだったな」
「本気で言っているのならば、帰るぞ」
 坂上は頬を膨らませて、横を向いた。なのでため息をつく。「ジョークに決まってるだろ。ほんとうに通じない奴だな」
「前にも聞いた。何度も言うな」膝に顔をうずめて、坂上はつぶやく。「しかしお前のジョークはタチが悪いものばっかりだ」
「――で、坂上さん」俺は頭をかきつつ言った。「色恋沙汰には興味あるし、モテる貴女は、なんで彼氏を作らないんですかね」
「言い寄る男はみんな好みじゃなかったからだ。そもそもいまは、そんなことをしている暇はない」ブスっとしたように答えた。   
「俺とデートしてるのはいいのかよ」
「なりゆきだ。もっと言うと、詐欺に近い」
 俺は半笑いで首をかいた。すると坂上は俺の手にあるタンポポをひったくり、髪に挿した。
「どうだ」
「なにが」
 瞬間、俺は頭を小突かれる。「気の利いた言葉ひとつ浮かばないのか。お前に惚れる女は苦労することだろうな」
「好きな女には、そりゃあ言うぜ。次から次へと」
「……いま私は、最低最悪な男を目の当たりにした」顔をしかめて坂上はつぶやく。「どうやらお前には教育が必要のようだ。さあ私を喜ばせる言葉を放つがいい。八十点以上で合格だ」
 と、指を動かし自分を指す。誉めろってことかよ。こいつも案外素直じゃねえなあ。
「きれいきれい」
「マイナス百点」
「びゅーてぃほー」
「……マイナス百二十点」
 だんだんと坂上の目つきが本気を帯びてきたので、俺は咳払いし、奴の目をみつめた。
「きれいだ」
「……五十点」
「好きだよ」
「……くっ」
「世界で一番、智代を愛してる」
 次の瞬間、平手が俺の左頬を襲った。俺は不意をつかれてほぼ直角に地面へ倒れこみ、クローバーの群とファースト・キスおよびセカンド・キスまで果たした。
「いってーな何しやがる!」
「ま、真顔でそんなことを言う奴があるかっ!」坂上は真っ赤になって俺を怒鳴りつけた。頬はジンジンと骨まで痛みが伝ってくる。俺はあまりの理不尽さに人生の真実を見たような気がした。
「ったく……。照れるくらいなら言わせるんじゃねえよ……」
 頬をさすりながらひとりごつと、坂上はつぶやいた。
「……下の名前、覚えていたのだな」
「は? ああ……そりゃ気になる女のはな」
 と言ってすぐ俺は口を押さえたが時すでに遅し、坂上はにやにやと嫌な笑みを浮かべて俺に寄ってきた。
「ほほう。私が気になるのか。ほほう」
「……お前意外と性格悪いな」
「お前は見たままに性格悪いだろう。けどなかなか好い奴だ」
 坂上は満面の笑みを浮かべながら、俺の背中をバンバンと叩き、すっくと立ちあがった。
「これから私のことは『智代』でいいぞ。そもそも堅苦しいと思っていたしな」
「……まあ、お前がそう言うんなら」
 俺は立ち、ゴミと本の袋を持ち上げる。その前で軽く伸びをする智代は、髪をゆらしてくるりとこちらを向くと、笑顔で言った。

「よし。じぁあそろそろ行こうか。本はていねいに運んでくれよな。――『朋也』」   


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